作業前の全体像を取り忘れていましたが、ボディー各所に小傷や凹みが見受けられます。
また、ルーフ等のボディー上面は塗膜の劣化により艶が引けた状態。
ミラーやスポイラー等の樹脂部は塗膜だけでなく、素地自体が劣化してクラックが生じています。
その他の薄い歪等、細部に至るまで補修の必要箇所をチェックします。
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今回の全塗装に伴い、ノーマルボンネットからGT-FOUR用ダクト付きの物へ変更
フロントエアロも新調するため、まずは仮組みにてフィッティングの確認。
サイドステップ(純正)は大穴が開いていますが、これを補修し、再使用いたします。
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各ボディーパーツの取り外し及び補修、鋼板の防錆処理を行います。
下写真中央:ガラス類を取り外したところ。ドアエッジやガラスの付け根、雨どい部に
錆びの発生が見受けられます。(写真クリックで拡大可)
下写真右 :過去に何度か補修された痕跡があります。下地の作り直しが必要です。 |
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小傷の補修部以外、車体のほぼ全体の塗膜の劣化状況が激しいため
車両全体にわたって鋼板素地を出さないよう慎重に
劣化した塗膜層のみをサンディングし、サフェーサー(下塗り塗装)を塗布しました。
サフェーサーとは、下地のパテを研いだ時等にできるペーパー目を埋めて塗装面を平滑にすることと
上塗り塗装の密着性を高める為の目的で使います。
但し、全ての全塗装のケースで車両全体をサンディング(又は塗膜剥離)し
サフェーサーを塗布しなければならないわけではありません。
(旧塗膜や鋼板の下地に異常がない限りは、基本的に塗膜剥離の必要性はありません)
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ボディー本体 |
フード(ボンネット) |
その他、各外装部品 |
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乾燥後、サフェーサーの研ぎを行います。
サフェーサーは乾燥さえすれば、そのまま塗装が出来ると言う訳ではありません。
スプレーガンでの塗装を行うと「塗り肌」と呼ばれる塗膜の波が生じます。
お車の塗装面を光に透かして斜め方向から見て頂けると判ると思いますが、
塗装面には微細な凹凸の波があり、これを「塗り肌」と呼びます。
下塗り(サフェーサー)の塗り肌の上に上塗り塗装の塗り肌が出来ると、非常に大粒の肌となってしまい、
仕上がり時の美観を大きく損ねてしまいます。サフェーサー塗布の際に生じた塗り肌を研ぎ落とし
完全な平滑に仕上げなければなりません。
下写真はサフェーサーの研ぎ風景です。
目視確認を容易にして下処理不足を無くす為に、ガイドコートと言う黒いカーボン粉末を塗布し
完全に平滑になる様サフェーサーを研ぎます
写真右:上半分が未処理(塗り肌)の状態、下半分が研ぎ出した状態(クリック拡大可)
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リヤフェンダー |
ドア |
ドア拡大 |
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サフェーサーの研ぎが終了すると、研ぎ粉や長年の使用によって溜まった汚れを
細部に至るまで清掃し、足付け(塗装の密着性を高める作業)処理を行います。
それと同時に、鋼板の継ぎ目やヒンジ等の劣化したシーラー(防水コーキング)の再処理を行います
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バックパネル部 |
ヒンジ部、シーラー処理 |
細部まで清掃、足付け |
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一連の下処理が終了すると、
ブース内にて車両のマスキングを行い、脱脂処理後に塗装となります。
他のパーツ類についても順次同様の作業を行います 。
比較的多く紹介されている、ドアやトランクが装着されたままの全塗装作業風景とは異なり、
外装部品類を完全に取り外した状態での塗装である事がお判り頂けると思います。
お客様のご希望やご予算の兼ね合いもございますが
こうする事で、物理的に塗装が不可能な細部にまでムラなく完全に塗装を行う事ができますので
より精度の高い仕上がりとなります。
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マスキング処理 |
ボディー本体の塗装が完了 |
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カラーベース塗装 |
クリヤーコート塗装 |
ドアハンドルは台座とノブに分け
細部まで分解の上塗装しました |
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サイドステップ |
大穴も綺麗に直りました |
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塗装が完了すると、車両本体及び各部品の磨き処理を行い
ボディーへの組み付けを行います。
この際に塗装部位だけでなく、経年劣化によってくすんでしまっているレンズ類も磨き処理を行いました。
折角ボディーがピカピカになっても、レンズ類が曇っていては台無しですから・・・
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各パーツ、ボディー磨き風景 |
部品及びガラス類の組み込み |
左:処理前 右:処理後 |
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全ての作業が終了すると
ドアの裏側やステップ部のクリップ穴へノズルを挿入し
新車同様に洗車や雨水の水抜き経路に対して防錆ワックスを吹き付けます。
その後、灯火類や各作動部品の機能チェックをし
洗車をして作業完了です。 |
完成写真です。 クリックで拡大可 |
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塗装面の接写 |
ゴムモール類も新品です。 |
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